”笑いと気づきの呼吸体操”
身体は元気に、心はポジティブに
人間関係も改善

2020年6月11日木曜日

【禅語のテーマ】両忘

最近のSNSの騒ぎをみると、「いいね」「悪いね」の親指のアップ&ダウンに慣れ親しんだせいでしょうか、「良い・悪い」、「好き・嫌い」の二極で大勢の人が意思表示をし、酷い場合には「悪いね」の人が大群となってバッシングをするのを目にします。

もちろんSNSによって民意の力が政治に影響を与えたり、良いところはあります。
ここでお伝えしたいことは何かというと、善か悪か、真か偽か、好きか嫌いか、損か得か、美しいか醜いか、など白黒つけることの意味について。

白黒つけることに、どれぐらい意味があるでしょうか?生産的な議論になっていますか?

政治家の発言が、嘘か真か、もちろん追求する必要はあるけれども、真偽の議論にエネルギーを使うよりも、それを発言した政治家の態度や、その人に政治を任せてよいのかというもっと大きな大局を観るほうに焦点を当てたほうが、よりよい未来に繋がりそうですよね。

それに、白か黒かを決めつけず、ありのまま、グレーを許容するほうが、現実的だったりします。例えば、その政治家は違反をして黒なんだけれども、国民に利益を与えるためにやむを得ない理由があり、グレーとも見なせるとか。

「両忘」(りょうぼう)とは、二極的な考え方や判断を手放すこと。白も黒も忘れて、あるがままを観る。そして不確定な曖昧も受け入れる。分からないものは、分からないものとして、そのままを受容する。

白か黒か、不毛な議論を続けるよりも、ゴールを見据えて、必要ない議論や判断は切り捨てて、前に向かって合理的にすすめるための智恵にあふれた言葉。

誰が言ったかの記録がなく、口伝えの禅語です。価値があるからこそ語り継がれてきた、宝の言葉ですね。

「両忘」を心がけると、悩みがなくなったり、す~っと肩の荷が下りて楽になります。どっちでもOK、と許容して、自分が幸せになったり、結果が出る道を選んだりしましょう。

例えば、「勤勉と怠惰」という尺度を大事にしている人がいたとして、何かするごとに「勤勉でなくてはいけない」と厳しく自分に課していたら、息切れがしてしまいますね。
今日はお休みをとってゆっくり過ごそう、というのは「怠惰」のように見えますが、疲れた体にとっては大事な休養。

二元論とは平面の、直線上にある概念ですが、実際の世界はもっと立体的。平面で判断できるものなどはなく、3Dで判断しなければ本当の正解は見つかりません。

先の例ですと、体調管理という軸で観たら、「怠惰」はマイナスではなくて、むしろプラスですね。

「両忘」は私たちが陥りやすい、浅薄な思考に警鐘を鳴らしてくれる、先人の智恵の言葉だと感じます。


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